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日本の東西を結ぶ道 ①

Gifu,South Nagano Area

岐阜、長野、群馬へ

 畿内 (大和) と東北地方を結ぶ大動脈、東山道は、古代から多くの人が行き交っていた。その真ん中、長野の伊那谷は、日本有数の馬の産地だった。豊富な天竜川水系の水が得やすく,牧草に恵まれた気候で、山に囲まれた谷は馬が逃げにくいという,飼育上の有利な環境があった。紀元5世紀頃からの古墳では埋葬馬が数多く出土しており、当時、馬は軍事的にも経済的にも重要な手段であったことは間違いなく、それゆえ、伊那谷は、大和朝廷と深い関係を持ち続けた。

 また、群馬は、東日本最大を誇る太田天神山古墳をはじめ12,000基を超える古墳があり、100m以上の巨大古墳も多く、全国屈指の古墳大国である。また、埴輪も全国一の質と量を誇り、大陸からもたらされた金銅製品、馬や鉄関連のものなど、当時の経済的な豊かさを示すものがたくさん出土している。

​*これらは、ピンホールカメラで撮影した写真です。写真の上をクリックすると、画像が大きくなり、キャプションが表示されます。

妙義山

妙義山

群馬の妙義山の近く、下仁田の山岳地は、日本列島ができた1500万年前より古く、白亜紀(約8000万年前)の海の地層や、ペルム紀(約2億7千万年前)のマグマが地下で冷え固まった石英閃緑岩という岩石で構成されているところがある。

榛名神社

榛名神社

​雨乞いの神社として、また、修験者の霊場として古くから榛名山信仰の参拝者を集めてきた。御姿岩(みすがたいわ)や九十九折岩(つづらおれいわ)、倉掛岩(くらかけいわ)、鉾岩(ぬぼこいわ)など奇岩奇景が境内に多くある。

妙義山 石門

妙義山 石門

妙義山

妙義山

妙義山

妙義山

妙義山の岩場は、山岳宗教の中心だった。群馬、上野国の一宮である貫前神社は、本殿の背後に妙義山の奇怪な山々を遠望できるが、物部氏の祖神を祀っている。

天竜川

天竜川

天竜川は諏訪湖に源を発し遠州灘に注ぐ。天竜とは天上の竜神のことで、竜神信仰からつけられたと考えられている。  3,000m級の山々が連なる中央アルプスや南アルプスから流れ込む支川はいずれも急勾配で、流域には、風化しやすい花崗岩などが広範囲に分布している。  さらに、日本列島を縦断する大断層「中央構造線」や「糸魚川-静岡構造線」など、いくつもの構造線が走る脆い地質構造になっている。  急峻な地形とあいまって土砂流出の多い河川として知られ、古来より水害に悩まされてきた。

天竜峡/龍角峯

天竜峡/龍角峯

天竜峡 龍角峯。暴れ川と言われた天竜川が花崗岩を削り取って切り開いた峡谷。「龍角峯」は高さ70m余の堂々たる一枚岩で出来ている。天竜川の深淵から天に昇った龍の化身と伝えられてきた。

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

5万4千年前の御嶽山の溶岩流の断面が長さ17kmにわたって続いており、その規模は日本一。流出した溶岩が冷えて固まるときに柱状の節理となっている。この絶壁は、5万年もかけて川が侵食した部分の一方の端。

中央構造線上にある2億年前の痕跡、中郷流宮岩(長野県飯田市上村)

中央構造線上にある2億年前の痕跡、中郷流宮岩(長野県飯田市上村)

中央構造線上にある2億年前の痕跡、中郷流宮岩(長野県飯田市上村)。  太古の昔、太平洋の深海の底に石灰岩とチャート(主成分は二酸化ケイ素で、この成分を持つ放散虫・海綿動物などの動物の殻や骨片(微化石)が海底に堆積してできた岩石)が繰り返し重なり積もった地層が、長い時間をかけてプレートに載って運ばれ、強い力で大陸へ押されて折りたたまれてできた。  地球のダイナミックな力によって折りたたまれた地層の様子を目で観察できる場所は、とても希少である。

諏訪大社 上社本宮

諏訪大社 上社本宮

(左)長野 諏訪大社 上社本宮境内。国内にある最も古い神社の一つ。『梁塵秘抄』に「関より東の軍神、鹿島、香取、諏訪の宮」と謡われているように軍神として崇敬された。祭神は、オオクニヌシの子供、タケミナカタで、『古事記』の記述では、国譲りの段で最後まで抵抗するものの、鹿島神宮の祭神タケミカヅチに敗れて諏訪に追い詰められた。しかし、諏訪大社の「諏訪大明神絵詞」によると、出雲や大和の影響を受ける前からタケミナカタは諏訪の神だった。「ミナカタ」はこの土地の「水潟(ミナカタ)」で、元は水神だったとも言われる。  ​

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

5万4千年前の御嶽山の溶岩流の断面が長さ17kmにわたって続いており、その規模は日本一。流出した溶岩が冷えて固まるときに柱状の節理となっている。

白川郷

白川郷

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)。5万4千年前の御嶽山の溶岩で形成された溶岩流の断面が長さ17kmにわたって続いている。谷にそって数万年かかって流出した溶岩が冷えて固まるときに柱状の節理となっている。この絶壁は、5万年もかけて川が侵食した部分の一方の端。

岐阜県郡上市 戸隠神社。重ね岩

岐阜県郡上市 戸隠神社。重ね岩

岐阜県郡上市 戸隠神社。重ね岩。上下2個の大岩(それぞれ約40tと推測される)が僅かな接点で重なったものであり、上の岩は片手でも動かすことができるという。そのためか、上の岩は、時とともに向きを変えているらしい。言い伝えによると、天照大神が隠れた高天原の天岩戸を手力雄命が開いたさい、飛び散った岩戸のかけらであるという。

大滝鍾乳洞

大滝鍾乳洞

名水の町としても全国に知られる岐阜の郡上八幡に名水を供給しているのが山間部に広がる石灰岩層のカルスト地形。  ここに、東海地方でも最大級の鍾乳洞「大滝鍾乳洞」がある。現在までの調査で総延長は2kmにも及ぶことが判明している。  この「大滝鍾乳洞」は、金属イオンが溶け込んで赤くなった鍾乳石や、光を通すほど透明度が高い鍾乳石など学術上貴重とされる珍しい鍾乳石がある。また、地底に、ある滝としては日本一の規模を誇る落差30mの大滝がある。

笠置山(岐阜県恵那市)。

笠置山(岐阜県恵那市)。

山頂付近に、ピラミッド・ストーンや古代岩刻文字(ペトログラフ)が刻まれている岩が多く点在する。

笠置山(岐阜県恵那市)

笠置山(岐阜県恵那市)

山頂付近に、ピラミッド・ストーンや古代岩刻文字(ペトログラフ)が刻まれている岩が多く点在する。

木曽川中流(岐阜県中津川市)

木曽川中流(岐阜県中津川市)

花崗岩を削って流れており、川の中に花崗岩がゴロゴロしている。水底に花崗岩が削られた白い砂が堆積し、水の透明度が高い。

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

厳立峡(岐阜県下呂市小坂)

5万4千年前の御嶽山の溶岩流の断面が長さ17kmにわたって続いており、その規模は日本一。流出した溶岩が冷えて固まるときに柱状の節理となっている。

厳立峡ひめしゃがの湯(岐阜県下呂市小坂)

厳立峡ひめしゃがの湯(岐阜県下呂市小坂)

5万4千年前の御嶽山の溶岩流の断面が長さ17kmにわたって続いており、その規模は日本一。ここが流出した溶岩の最先端。

岩屋岩蔭遺跡。(岐阜県下呂市金山)。

岩屋岩蔭遺跡。(岐阜県下呂市金山)。

紀元前五百年から紀元前1000年の頃、ここで天文観測が行われたとされる。ここから約8000年前の縄文土器や石器も発見された。古地磁気学的手法により、巨石群が「移動または回転を伴って現位置に定置した」と判定されたが、同様の現象が、地震などによる自然現象でもありうると異論もある。向こうの岩のところで、夏至から冬至まで、沈む太陽の位置を観測できる。

静岡 天白磐座遺跡

静岡 天白磐座遺跡

浜松北部、神宮川のそばの古代の祭祀場、天白岩座。今まで色々な岩座を見たけど、ここは、なぜか妙に心引かれるものがある。岩の迫力だけでなく、岩の配置とか、大きさのバランスとか。この岩の手前から祭祀道具が発見されたので、古代人も、この場所に特別なものを感じていた。

静岡 天白磐座遺跡

静岡 天白磐座遺跡

富士山本宮浅間大社 湧玉池

富士山本宮浅間大社 湧玉池

浅間大社の東脇門を出たところに、国の特別天然記念物に指定された「湧玉池」がある。池の底から玉の様に水が湧き出すので「湧玉池」と名づけられた。湧水は富士山の雪融け水が地下の幾重もの溶岩層を抜けて、長い年月をかけて湧き出た「富士山御霊水」である。

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